⑫父が所有していた県外の土地家屋を弟にあげたい

　長男の方からのご相談で、お父様が亡くなられ、母は幼少期に既に亡くなっており、弟が一人と、その後再婚した後妻の方が父親と同居していました。随分前に父親が亡くなり、土地家屋は父名義のままとのことでした。父親と後妻の間には子供はおらず、後妻の両親は既に他界、後妻には兄がいるとのこと。今回のご相談内容としては、弟は体が不自由なので、父の土地と家屋を弟に渡したいがどうすればいいかとのご相談でした。

　相談者様に、後妻の方とご家族の関係について聞いてみますと、良好とのことでした。

　しかし、後妻が今後亡くなった場合、父の土地家屋は、相談者、相談者の弟、後妻の兄との間で遺産分割協議をしなければならないことは、存じ上げているようでした。

　「このまま放置したほうがいいのでしょうか？」との言葉に対し「体の傷は時間がたてば治りますが、相続に関しましては、どんどん悪化します。ご存知のように、後妻様が亡くなった場合、権利関係が複雑になります。そうなってしまっては、相続人の調査が複雑になり、費用も多額になってきます。残されたご家族にその負担が重くのしかかってしまいますよ。」と説明しました。解決策としては、できるだけ早く「父親の相続」として、後妻、相談者、相談者の弟間で遺産分割協議をして、弟に父親名義の土地家屋を相続させるのが一番いい方法であることを伝えました。

　他の家族と話し合って、何とか取りまとめてみますとのことでした。