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司法書士を目指されている方へ(学歴・キャリアなんて関係ない)

2024年01月28日

デイリー新潮の記者がYahooニュースに投稿した「高卒の"ボキャブラ芸人"が54歳で「司法書士」に合格! 「合格率5%」最難関突破を支えた2人の"偉人"の言葉」という記事が掲載されていました。この記事を見ていて、学習方法や試験の攻略についても話が出ていましたので、ご紹介したいと思います。

目次

1.元どーよのケンキさんの話

2.話の中で見る学習方法

3.私の体験談

4.まとめ


1.元どーよのケンキさんの話

 記事の内容を抜粋してみていきます。

「 ケンキは1996年にテルと「どーよ」を結成。くりぃむしちゅー(当時は海砂利水魚)や、土田晃之がいたU-turn、アンタッチャブルらと舞台やテレビで腕を競い合った。「進ぬ! 電波少年」などのテレビ番組で活躍し、相方だったテルが2004年にロバート・デ・ニーロものまねでブレイクするも、不仲となり、どーよは2009年に解散した。

 解散後はナレーターやレポーターとして活躍していたが、母親が亡くなったことをきっかけに人生を見つめ直し、親戚との会話に出た宅建(宅地建物取引士)の資格取得に向けた勉強を開始する。45歳の時だった。3ヵ月間の猛勉強で宅建に合格すると、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者、マンション管理士といった難関資格を次々と取得した。そして最後の"大ボス"として資格取得を目指していたのが「司法書士」だった。解散の経緯や資格の勉強を始めたきっかけは「デイリー新潮」の過去の記事で紹介している。

司法試験、公認会計士試験と並ぶ「最難関」

 司法書士試験は、巷の"国家試験難易度ランキング"で、司法試験、国家公務員総合職、公認会計士、弁理士などと並んで「最難関」に分類されている。司法書士は法務省の管轄下にあり、資格を得ると不動産登記や商業登記、裁判所手続、債務整理、相続などの業務を行うことができる。2023年は1万3372人が受験し、合格者は695人だった。

 この難関試験を、ケンキはどのようにクリアしたのか? 

勉強を始めたのは6年半前です。最初は安い通信教育を見つけて1年半やったんですが、正直、これじゃあ絶対に受からないと悟って、学校に通うことにしました。最もいい先生、効率的な先生を調べ、その先生がいるところに1年間通いました。学校では"どう勉強すれば良いか"というノウハウを学べたことが大きかったです。資格を取るために学校に通ったのはこの時だけ。あとは独学です。完全に独学では無理だし、安くあげようとお金をケチっちゃダメでした」

 勉強を始めた頃は教材を見ても全く内容が頭に入ってこなかったという。

「最初は本当にチンプンカンプン。"何これ? 意味がわからない。こんなの太刀打ちできない! 無理だ!"みたいな感じでした。でも人間ってえらいもんで、学校があった頃は4時間授業を受けて家で4時間勉強して、何もない日は家で8時間勉強して、という生活を続けていると、どんどん内容がわかるようになり、正解できるようになって、6年経ったらどんな問題を出されてもほぼなんでも答えられるようになっているんですよ

「1回目は始めて半年後、まだ通信で勉強していた時です、2回目は学校に通い出した頃で、勉強は全然終わっていませんでした。"お試し受験"といって、始めたばかりの人もみんな受験しています。雰囲気に慣れたり、本物の試験での時間配分を知るためです。僕はこの2回がお試しで、次からが本気の試験でした」

「難しい上に範囲が広いんです。午前中に憲法、民法、刑法、商法(会社法)の4科目の5択問題が35問。時間は2時間です。午後は民事訴訟法、司法書士法、供託法、不動産登記法、商業登記法など7科目の5択問題35問と記述が2問。時間は3時間です。記述は例文として事実関係が示され、それを元に登記の目的、登記記録の欄に記録される情報と申請人、添付情報や登録免許税額を順番に書け、といったもので1問に1時間ぐらいかかります」

「学校に行くと授業の冒頭で先生は必ず言うんです。『勉強は大変だけど、とにかく頑張って。人生を変えられる資格だから』って。勉強は本当に大変で、特に試験直前は脳みそが腫れて目から血が出るほどやってました(笑)」

 ケンキは自分の経験を踏まえて、そろそろ定年などで第二の人生を迎える同世代、そして若い人たちにこんなエールを送る。

「僕なんか高校の時はあまり勉強してなかったし、卒業してすぐ芸人の世界に飛び込んだから、大学受験もしていません。ずっと学問的な勉強はしてなかったけど、45歳の時に宅建の勉強を始めてから、勉強の楽しさを知り、司法書士の資格まで取れるようになりました。僕と同世代の定年退職が視野に入ってくるサラリーマンの方々も、これからどう生きるか迷っている若い人たちも、仕事や子育ての忙しさのために何かを諦めることなく、こんな僕の姿を見て"自分も何かやれる"と動き出してもらえれば嬉しいです」」(引用終わり)

2.話の中で見る学習方法

 学習する機関は、はっきり言って人それぞれです。しかし、日々の学習をどのくらいすればいいのかという点については、参考になります。「1日8時間の学習」とありますが、学習期間を重ねていくと、効率化により同じ8時間でも、その中身は全く別物になっていくと思います。

 また、「記述には1問1時間かける」とありましたが、午後の試験は3時間です。そうなると、午後の択一をいかに1時間程度に収めるかがポイントになってきます。現に、午後の択一の難易度が上がった年の一発合格者は、一気に減少します。

 あきらめずに続けること、これが一番大切なことなのだと思います。

3.私の体験談

 さて、私の話をしていきましょうか。司法書士になろうと取り組むためのきっかけは、人それぞれにあると思います。そのきっかけについて話をします。

 私が30歳で留学先のオーストラリアから帰国後、大手IT会社でネットワークエンジニアとして働いていましたが、急に地元香川県に戻らなければならないことが発生しました。大学入学以降、香川県には全く地盤がありません。そこで、就職サポートサービスを使うことにしました。それで、地元の金融機関に入ることができました。この会社は、少人数でやっており、いろいろ無理を言いましたが、結果的にうまくいきました。

 その金融機関を止めたあと、いろいろな職種を経験した後に地元では大手のグループ会社の就職支援会社に登録をしました。この会社は、今でもCMを作っており、Youtubeに時々出てきます。登録後、面談があるというのでいったところ、そこの担当者が、「橋本さんは、金融機関までのキャリアは上がり調子ですが、それからはダメですね。」と言われました。最初、この人は何を言っているんだと思いましたが、真顔で言っており、さらに続けて「まあ、探してみます。またご連絡するのでお待ちください。」とのこと。その後、何か月たっても連絡がないので、どうなっているのか確認すると、「こっちから連絡するといったんだから、電話をしてこないでください。」と言われました。(丸めて書きましたが、もっと強い口調でしたね。)ああ、宣伝では良いこと言っているけど、結局大手でもこんな感じなんだと思い、二度と連絡をしませんでした。そして、人生を変えるにはどうしたらいいか自分で真剣に悩み、司法書士を目指すことにしました。私が45歳の時です。

 人材紹介会社が皆こうかと言われると、そうではないと思います。地元の人材紹介やコンサルをしている経営者と知り合いになりましたが、私が受けたような対応をしている様子はありませんでした。

 まあ、ひとこと言わせていただくならば、その電話対応した方には「見る目ないですね。大丈夫ですか?」と言いたいですね。だって、人生変えるくらいのポテンシャルを持っているかどうかを見分けることができていないわけですから。YoutubeのCMを拝見するたびに「本当か?」と心の中で言っています。でも、司法書士を目指すきっかけを作っていただいたことには、大変感謝をしております。

4.まとめ

 司法書士になったなら、「学歴・キャリア」はサブ的なものになります。司法書士業務がメインの仕事になりますので、特にキャリアについては、司法書士業務について補助者をしていたなど同じ業界のキャリアは別として、全く役には立ちません。しかし、集客やマーケティングには役立つ知識もあります。司法書士になっても、司法書士業務だけやってたのでは、集客なんて絶望的ですからね。

 しかし、まずは司法書士にならなければこうはならないのです。ですので早く司法書士試験を突破して、司法書士を目指してください。

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