平日9時~18時 土10時~15時 時間外対応可能

(論点)不動産を利用した生前対策のメリット

2024年07月25日

不動産は、生前対策として非常に有効な手段です。相続税の負担を軽減し、遺産分割をスムーズに行うために不動産を活用することは、多くのメリットがあります。以下に、不動産を利用した生前対策のメリットを詳しく説明します。

目次

1. 不動産の評価減効果

2. 賃貸不動産による収益の確保

3. 生前贈与による相続税対策

4. 不動産の活用による財産の保全

5. 不動産の活用による相続人間の公平性の確保

6. 事業承継の円滑化

7. 相続税の納税猶予制度の活用

8. 遺言書との併用

9. 不動産のリノベーションによる価値向上

まとめ


1. 不動産の評価減効果

 不動産の評価額は、相続税評価額として固定資産税評価額や路線価などが基準となります。これらの評価額は、実際の市場価格よりも低く設定されることが一般的です。そのため、不動産を相続財産に組み込むことで、評価額を低く抑え、相続税の負担を軽減することができます。また、賃貸物件の場合、借地権や借家権が考慮され、さらに評価額が減少する可能性があります。

2. 賃貸不動産による収益の確保

 賃貸不動産を所有している場合、相続人にとって安定した収益源となります。賃貸収入は現金収入であり、相続税の支払いや生活費の確保に役立ちます。また、賃貸物件は相続時における評価額が減少するため、相続税の負担をさらに軽減する効果があります。特に、長期間にわたり安定した収益を得られる賃貸物件は、相続後の家族の経済的な安定にも寄与します。

3. 生前贈与による相続税対策

 不動産を生前に贈与することで、相続税の課税対象となる財産を減少させることができます。生前贈与には年間110万円までの非課税枠があり、この枠を利用して少額ずつ贈与することが一般的です。また、不動産の一部を贈与することで、相続時の評価額を分割し、相続税の負担を軽減することができます。特に、子供や孫に不動産を贈与することで、将来の相続税負担を分散させることが可能です。

※不動産の場合、評価額は高額になると思われます。そこで、生前贈与対策として行うのは、「持分の割合をきめて贈与する」手法で対策をすることができます。

4. 不動産の活用による財産の保全

 不動産は、現金や株式と異なり、物理的な財産であるため、価値が安定しやすい特性があります。これにより、インフレーションや市場の変動によるリスクを回避しやすく、財産の保全に役立ちます。特に、立地条件の良い不動産は、将来的に価値が上昇する可能性が高く、長期的な資産価値の維持に寄与します。

5. 不動産の活用による相続人間の公平性の確保

 不動産を活用することで、相続人間の公平性を確保することができます。例えば、遺言書で不動産の分割方法を明示することで、相続人間のトラブルを防ぐことができます。また、複数の不動産を所有している場合、それぞれの相続人に異なる物件を分配することで、公平な相続を実現することができます。さらに、特定の相続人に対して生前に不動産を贈与することで、相続時の不公平感を軽減することも可能です。

6. 事業承継の円滑化

 不動産を所有している場合、事業承継がスムーズに行えるというメリットがあります。特に、事業用不動産は、事業の継続性を保つために重要な資産です。生前に事業用不動産を後継者に贈与することで、事業承継の準備を整え、相続時の混乱を防ぐことができます。また、事業用不動産を利用した経営資源の活用や、新たな事業展開の基盤としても活用することが可能です。

7. 相続税の納税猶予制度の活用

 農地や事業用資産を相続する場合、一定の条件を満たすことで相続税の納税猶予を受けることができます。これは、農業や事業の継続を支援するための制度であり、生前に適切な準備を行うことで、この制度を活用することができます。例えば、農地の相続においては、農業を継続する意思を明確にし、適切な手続きを行うことで、相続税の負担を軽減することができます。

8. 遺言書との併用

 不動産を活用した生前対策は、遺言書と併用することでさらに効果を高めることができます。遺言書に不動産の分割方法や受取人を明確に記載することで、相続時のトラブルを防ぎ、円滑な相続手続きを実現することができます。また、遺言書を作成することで、生前に贈与した不動産についても明確に意思を示すことができ、相続人間の混乱を防ぐことができます。

9. 不動産のリノベーションによる価値向上

 生前に不動産をリノベーションすることで、資産価値を向上させることができます。リノベーションにより、不動産の魅力を高め、賃貸収益を増加させることが可能です。また、相続人にとっても、リノベーション済みの不動産は魅力的な資産となり、相続後の活用がしやすくなります。これにより、相続時のトラブルを防ぎ、円滑な資産承継を実現することができます。

まとめ

 不動産を利用した生前対策には、不動産の評価減効果、賃貸不動産による収益の確保、生前贈与による相続税対策、不動産の活用による財産の保全、不動産の活用による相続人間の公平性の確保、事業承継の円滑化、相続税の納税猶予制度の活用、遺言書との併用、不動産のリノベーションによる価値向上など、多くのメリットがあります。これらのメリットを最大限に活用するためには、専門家の助言を受けながら適切な不動産戦略を立てることが重要です。不動産を効果的に活用することで、相続税の負担を軽減し、家族の生活基盤を守りつつ、円滑な相続手続きを実現することができます。

最新のブログ記事

令和6年9月18日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。

「物事がうまくいかない場合、『執着』を手放すことで、自分に『空き』ができ、新たな事柄を取得できる」という考え方は、古くから多くの哲学や宗教、心理学において重要なテーマとされています。この考え方の背景には、執着が私たちの心や思考を縛りつけ、視野を狭めることがあるという認識があります。ここでは、執着を手放すことの重要性と、それがどのように新たなチャンスや可能性をもたらすのかについて考えてみます。

「謝られたら許さなければならないか?」という問いは、倫理的、心理的、社会的な側面から深く考察できる問題です。この問いには明確な正解があるわけではなく、状況や個々の価値観、社会の文化的背景により結論は異なります。しかし、許すか許さないかの判断はこちら側にある訳で、自由だとも考えますが・・・。