平日9時~18時 土10時~15時 時間外対応可能

(論点)公正証書遺言作成の手続き

2024年08月01日

公正証書遺言は、公証人が作成する信頼性の高い遺言書です。以下に、公正証書遺言を作成する際の具体的な手順を説明します。

目次

1. 遺言内容の検討

2. 公証役場の選定と予約

3. 必要書類の準備

4. 証人の確保

5. 公証役場での手続き

6. 公正証書遺言の保管

7. 遺言書の見直し

まとめ


1. 遺言内容の検討

 まず、遺言内容をじっくり検討します。以下の点を考慮して内容を決めます。

遺産の分配方法:財産をどのように分配するか、誰に何を相続させるかを決めます。

特定の相続人への配慮:特定の相続人に対して、特別な配慮が必要な場合はその旨を記載します。

遺言執行者の指定:遺言内容を実行する遺言執行者を指定します。信頼できる人物を選びます。

2. 公証役場の選定と予約

 遺言内容が決まったら、公証役場を選び、予約を取ります。予約時に以下の情報を伝えます。

遺言者の氏名、住所、生年月日

証人2名の氏名、住所、生年月日※公証役場に証人の依頼をしている場合は不要

遺言内容の概要

公証役場の連絡先はインターネットで検索するか、最寄りの役場に問い合わせると良いでしょう。

3. 必要書類の準備

 公正証書遺言を作成するためには、以下の書類が必要です。

本人確認書類:遺言者および証人2名の運転免許証やパスポートなどの身分証明書

※本人の場合は、印鑑証明書での本人確認をする場合が多いです。

財産に関する書類:不動産登記簿謄本、預貯金の通帳の写し、株式の証券など

その他の書類:家族構成を確認するための戸籍謄本、遺言執行者を指定する場合はその同意書など

4. 証人の確保

 公正証書遺言の作成には、2名の証人が必要です。証人には以下の条件があります。

(証人の要件)

遺言者の配偶者や直系血族でないこと

遺言の利益を受ける者でないこと

成年であること

弁護士や司法書士など、専門家を証人として依頼することも可能です。

5. 公証役場での手続き

 予約した日時に公証役場に出向きます。手続きの流れは以下の通りです。

公証人による説明:公証人が遺言の内容について説明し、遺言者が理解しているか確認します。

遺言内容の確認:遺言者が遺言内容を読み上げ、誤りがないか確認します。

署名・押印:遺言者と証人が遺言書に署名・押印します。

公証人の署名・押印:公証人が遺言書に署名・押印し、公正証書遺言が完成します。

6. 公正証書遺言の保管

 公正証書遺言は公証役場に保管されます。遺言者には遺言書の正本と謄本が交付されます。遺言書の保管方法について家族に知らせておくと、相続時にスムーズに手続きを進めることができます。

7. 遺言書の見直し

 遺言内容は一度作成しても、状況に応じて見直すことが可能です。例えば、家族構成や財産状況に変化があった場合は、遺言書を更新することを検討します。新しい遺言書を作成する場合も、同じ手続きを踏むことになります。

まとめ

 公正証書遺言を作成する手順は以下の通りです。

遺言内容の検討

公証役場の選定と予約

必要書類の準備

証人の確保

公証役場での手続き

公正証書遺言の保管

遺言書の見直し

 これらの手順を踏むことで、公正証書遺言を確実に作成し、相続トラブルを未然に防ぐことができます。公正証書遺言は公証人が関与するため、法的な効力が強く、信頼性が高いです。遺言の内容が明確であり、相続人同士の争いを防ぐために、有効な手段と言えるでしょう。

最新のブログ記事

令和7年度の司法書士試験が近づく中、各予備校による試験分析が発表され、その情報を基にした対策が重要視されています。司法書士試験は法改正や過去の出題傾向を反映するため、最新の情報を取り入れた効率的な学習が鍵となります。本稿では、各予備校の分析を基に、今年度の試験に向けた有効な対策について解説します。

事前完ぺき主義とは、物事を始める前に完璧な準備を整えようとする考え方を指します。特にビジネスやプロジェクト、また個人の目標達成において、事前に全てを準備してから行動に移そうとする人が多く見られます。しかし、この「完璧を追求する姿勢」が時に大きな問題を引き起こすことがあります。それは、機会を逃し、行動するタイミングを逸してしまい、後で大きな後悔を抱えることです。今回は、事前完ぺき主義の罠に焦点を当て、その影響と対策について解説します。